大宮1−0鳥栖 @大宮

現地観戦。正直、昨年の順位から鳥栖というチームを舐めていたこともあって、一ヶ月前の湘南戦みたいな内容になるのではと思っていた。
素直に謝りたい。松本育夫に謝りたい。矢部次郎に謝りたい。シュナ潤とトミヲに誤りたい。
 
鳥栖は少なくとも湘南とは桁違いだった。強さが、というより志の高さが、とでも言おうか。戦術はシンプルそのもの。一人余る忠実なマンマークをベースに、ボールを奪ったら中盤から前が縦へ縦へと突っ走るシンプルなカウンターなんだけど、それを実践する選手の意識が凄く高い。チェイシングやフリーランニングをサボる選手がいないのはもちろんのこと、パス出し方、パスのもらい方が、一人一人すごく工夫しようとする意識が見えて、それが実際の展開に反映されている。ボールホルダーは、受ける選手が前を向けるようにきちんと考えているのが一目でわかる。そして、前を向いた選手の勇猛果敢なこと!「シュート!」の久保さんが残した言葉を実践しているがごとく、「ボールを持ったら一歩でもゴールに近づこう」と果敢な突進を繰り返す。まさに「尽くしてみないか、全力を」サッカーとでも言おうか。
 
そんなわけで大宮はすっかり面食らっていた。もともとの地力は上回っているから、一度ポゼッションを握るとなかなか手放さない粘り強さはさすがなんだけど、鳥栖の戻りの早さに負けてしまい、有効な展開を作り出せない。しかも、鳥栖のカウンターが前半の出鼻に何度か決まってから、中盤の選手が飛び出すタイミングがあきらかに出遅れ始めた。結果として大宮はバレーとトゥットの突進力でしか活路を開けず(いや、それが効果覿面なのは確かなんだけど)鳥栖の守備陣の前で停滞してしまった印象がかなり強かった。しかも、大宮が安易な横パスで逃げようとすると、前線から猛チャージで追いかけてきたFWが噛み付いてくる(ここから何度も危ないシーンを作られていた)。こういう試合を川崎や山形とやったのならまだわかるけど、昨シーズン勝ち点19の鳥栖を相手にやったということが個人的には大きな驚きだった。大宮情けないというより、松本育夫恐るべしと思う。
さすがに鳥栖も、このハイペースなサッカーが夏場に続くわけもなく、足が止まり押し込まれた後半42分、大宮が見事な直接FKを決めて勝利をもぎ取った。しかし、残り3分で見せた猛烈なアタックに大宮はたじろぎっぱなしだったことも間違いなく。鳥栖というチームが恐るべき執念と可能性を持ったチームであることを認識させられてしまった。
 
願わくば、来年この場所で鳥栖のサッカーがさらに成長した姿を見てみたいと思う。
 
 
 
あ、大宮が昇格すると見れなくなってしまうのかw